日本酒が大好きなあなたへ日本酒が大好きな私がおすすめできる本物の純米酒を紹介させてください。

 

昔から酒屋の店主には二つのパターンがあって、店主は下戸だけれどメーカーさんや問屋さんからの情報をもとに新商品、人気の商品、利幅のある商品 (安く売れる)を陳列していくタイプと店主は無類の酒好きで、のれんが内側を向いているくらい晩酌をかかさずにたしなみ、自分好みのお酒を取り揃えてお客 さんにも押し売りするタイプです。

 

さすがに最近はお客さんに押し売りする酒屋さんはあまりいないと思いますが、後者のタイプの酒屋さんも酒類販売免許の規制緩和等もあってスーパー等大 型量販店にお客さんが流れてしまい青息吐息(あおいきといき)の状況です。私の店ものれんが内側を向いているほうですがまさに崖っぷちです。

 

それにしても日本酒を知らない飲まないお客さんが増えているのは残念です。お酒と言えばビール(最近はビールもどきの発泡性リキュール)や焼酎が主 流になってきています。ひとつには本当においしい日本酒を飲んだ経験がない。裏を返せばまずい日本酒にしか出会っていないのかもしれません。酒屋の怠慢なのかもしれません。

 

食生活が変化して夕食も繊細な味覚の和食から香辛料の多い肉料理中心の献立になっているのも大きな要因かもしれません。日本酒はやはり油っこい料理 にはマッチしないと思います。しかし、このまま日本酒と酒屋がすたれていってしまわないためにも、日本の食文化をささえる本物の日本酒を私なりに紹介して いきたいと思います。

 

昭和17年ごろまでは、日本酒はほとんどが純米酒だったそうです。

 

戦中戦後の米不足の影響や酒税の増収のために、やむをえず醸造用のアルコールを添加したのがはじまりですが、その後お米が余るようになっても多くの蔵元さ んは営利主義にはしってしまい、本来の酒造りの伝統と技術がないがしろにされ昔ながらの純米酒が市場にあまり出回らなくなりアル添酒や糖類等も添加したい わゆる三倍増醸酒が幅をきかせていました。

 

このようなまがいものの日本酒しか飲めない消費者が日本酒離れをおこしても無理はありませんでした。昭和50年ごろから、こころある酒造家が本来の日本酒 の衰退に危機感をもちはじめ又消費者の本物志向ともマッチして、このところは昔以上の品質をもった個性豊かな日本酒が多くなってきています。

純米酒は体に良い!

純米酒を飲むことはお米のご飯を食べていることとおなじです。醗酵したお米を噛まずにいただいているということです。

 

純米酒は栄養満点!各種のアミノ酸やビタミン、新陳代謝を高めるペプチドも含有していて、体の免疫力を高めてくれます。血行もよくなりお肌にもよいようです。飲酒とは直接関係はないかもしれませんが、酒蔵で作業される方は男性も女性もお肌の綺麗な方が多いですね。

 

もちろん飲みすぎは肝臓等に負担をかけますので、適量(個人差もありますが一日二合位までがいいかも)で植物性のタンパク質を多く含んだ食事といっしょに食中酒としていただくのが最高です。

純米酒を飲んで田んぼを守ろう!

純米酒(精米歩合70%で)一升瓶一本を作る為にはお米が約1KG(玄米換算)必要です。1KGのお米を収穫するには約一坪(畳二帖)の田んぼの広さが必要になります。

 

今はお米の需要が落ち込んで減反政策がしかれていますが、みんなが晩酌のお酒を純米酒にきりかえて毎日一人一合の純米酒を飲むだけでも多くのお米が消費されて減反などしなくても十分な需要があるそうです。

 

耕作放棄地の目立つ中山間地の田園風景をよみがえらす為にも純米酒は一役かっています。